天道と人道

自然と接しているときに良く感じるのが、天道と人道の違いです。
掃除をしたり、草刈をすることは天道ではありません。
天道と人道は異なると言う事を二ノ宮尊徳は喝破していました。
これは天道と人道が相反するものを指すわけではありません。
天道と人道を如何に融和させるかが人生の成功につながる事を示唆しているのだろうと思います。
田畑は人間が手を入れなければ数年待たずに荒野に成りますが、正しい手入れをすれば自然の力を活用して作物を回収することが出来ます。
自然の摂理を理解してその活用に全力を注ぐことこそが、多くの成果に結びつくのだろうと理解しているものの、実際には人間関係の中では利己的な面が出てしまっているが故に天道との融和が図れていないのかもしれないと感じる事も多く有ります。
全てが自然のままでは人間も野生でいるだけが最も適材適所のような役割になりますが、ホモサピエンスが誕生して20~30万年、文字が生まれて5,000年の間に色んな倫理が生まれてきています。
限られた時間なので折角であれば有意であることは全て活用したいと思いつつも、自分の中のマインドを正しく向き合わせられなければ、結果もおのずとはついて来ないことを実感しております。
もう一つ、DNAなどによる血統の違いについても考える機会を持ちました。
生まれながらに備えているものがどの程度人生を左右するものなのでしょうか?
その両親から生まれたから(遺伝など)とその国に存在しているから(環境など)の影響はどちらが強いのでしょう?
同じ日本人でも、2000年前と100年前と現代の人が同じ原理で動いているでしょうか?
珍しく2600年も国家自体が断絶した歴史が無いので、他の国家よりも稀有に繋がっている所は多いとは思いますが、生まれながらにして得られていること(遺伝など)よりも、周囲から与えられるもの(環境など)の方が、人生に大きな影響を与えるように感じます。
現在は100年時代と言われていますが、一昔前は現役世代が30年程度で60年が関の山でしたでしょう。
そう考えますと自分が世界に力を発揮できるようになる30歳までに本人が与えられた環境で多くを考えてしまうようになると思うのです。
『人生は考えたように生きなければならない、でなければ生きたとおりに考えてしまう』と言う名言を尊敬する先輩から教わったこともありますが、多くの方は生きたとおりに考えてしまうことでしょう。
現代に生きる我々や今後30年を色為していくのは、平成という元号で過ごしたことが色濃く反映されて行くものと感じます。
将来に亘ってこの平成と言う時代をどのように評価されるのか、100年を経ても正しい評価は成されないものとは存じますものの、現役生としてとても気になるところです。

天道と人道を融和させる術を今後も考え実行し続けてまいりたいと存じます。