分断への不安

コロナ禍に入り、半年以上が経過しています。
世界のすべての人の生活が大きく変容していることは間違いありませんが、更に分断の世界が見えずらくなっていることが気になっています。
多くの方にとっては分断など気にもせず、自分たちの世界観で生きていくことが可能で、コンフォートゾーンから出ることなく生活できていたものと思います。
社会のリーダーたる人間は様々な環境に有る方々を積極的に知り、公平になれるよう是正活動をしていく必要が有ると考えています。

テレビメディアを見ていると都会と地方の意識の分断が大きいことを痛感させられます。
恐らく作り手が都会の方で見るべきターゲットも都会の方にされているのでしょう。
地方に住まう者にとっては共感できない情報が良く流れています。
些末な所で言いますと東京の台風情報は全国版でやるものの地方の情報となると余程のサイズでない限り、積極的な報道はなくローカル局だよりに成ります。
東京も一つのローカルでも有りますので、特別待遇を当然のように享受しているのは異様に感じます。
とは言え、現在はインターネットにてローカルでも多くの情報が入手できますので、インフラとして重要なのは公共交通機関と言うよりもネット環境であろうと、身体に不自由をしていない身ではそのように感じています。

分断されているのはそれだけではないでしょう。
教育の格差や貧富の格差なども高度経済成長期よりも大きくなっていることを感じています。
それらはコロナ禍において更に大きな差になっているように想像されるものの、人との直接の接点が少なくなっている現在では私にとって現実感があまりありません。
現役ビジネスマンとしてBtoBの環境に身を置いておりますと、周囲で触れ合う方はバッチリ儲かっているとの事は無いものの、困窮とは程遠い状況です。
GoToキャンペーンの感想を話していたりと現在の制度をしっかりと活用できる立場にいらっしゃいます。
商売的に苦境に立たされているBtoCの方々もある一定規模の企業であることからかGoToキャンペーンを前向きに捉え、ややこしいと言われる制度にもしっかりと対応して必要補助金も受け取ることが出来ています。

日本全体は世界から見て大いに恵まれています。
個人個人によって見方は異なるでしょうけれども、現在の日本が相対的に裕福なのは間違えの無い事実です。
努力も無しにこれが永続的に続くということは有りません。
努力だけではなく制度としてもそのような取組みが不可欠です。
失敗した人にも再挑戦が出来る、社会的弱者の最低限の生活を確保する、一時的に燃え尽きた人たちが一定期間休む場所など、セーフティネットが必要です。
そして、そのセーフティネットが有る事実をすべての国民が知る必要があります。
セーフティネットに甘える人が増えるばかりだとの意見もあるでしょうけど、一定期間は守るべき方々はいらっしゃいます。
この期間を長くすることが出来るかどうかが国力にかかっていることでしょう。

日本では今でも道徳教育が為されていると思っています。
さもしい話が時折聞かれますけど、それらがマジョリティになることは無いと信じています。
モグラ叩きのように制度設計の抜け穴を狙う方々は居らっしゃるでしょうけど、それらを避けるが為に本来守られるべき人が守られないのはおかしいと考えます。
社会的弱者を守るために多くの方が汗水を垂らして働くことは当然のことであると思います。
そのような意識が弱まっているように感じる時があります。
利己的な方が増えています。
アメリカの影響なのかもしれません。
欧州においても弱い人間の本質は良く見られ、利己的な意識に飲み込まれてしまうようにも見受けられます。
それでもリーダーになる人は高い志と実行力を有し、人類の為に闘い続けることを確信しています。

学んでいない親が増えていることもあり、子供たちは困惑して過ごしているのかも知れません。
それは現在の親世代も同様で、高度経済成長期に学んでおくべき思想が抜け落ちている人が増えているようにも見えます。
コロナを通じてかここで抑えきれなければ更なる混乱を基に大いなる転換が図られる時期に入ってきているのを感じます。
良くも悪くも世界は大きく変わっていくでしょう。
そんな中で環境を言い訳に自分の正当性ばかりを主張だけするのではなく、当事者として発信をして自らが最前線で実践していく人が日本人の中で増えていく事を期待しています。
勿論、私自身もそのような立場で行動をしてまいります。