一升瓶には一升しか入らない

学生の頃にビックコミックの間に入る有名人の大切にしているとして紹介された言葉が強烈に頭に入っています。
言葉は覚えていても取材された方を全く覚えていないほど言葉が印象的でした。
その言葉で父親に育てられたという事です。
私自身、何物でもなかった学生時代は社会に出ることなどに不安が多くありました。
そんな際にとても有難い言葉のようにも感じました。
この言葉の後には、『だからこそ瓶のサイズを大きくすることに腐心する』と言うような表現が続いていました。
出来る出来ないは現在の実力通りなのであって、過大評価を避けることで精神的安寧が図れるものの、そのまま現状に満足してしまうのではなく飽くなき成長意欲を持つ事が肝要であることをその時から強く認識することが出来ました。

今年は内省期間が多くそれはそれで恵まれた期間であったと思っています。
様々な本を読む機会もありましたけど、結果として会社の成果の全ては自分の責任であることを理解しています。
出来ていないことが沢山ありますけど、私個人は常に一所懸命に取り組んでいます。
つまりは私の実力がそのまま会社の成果として反映されているのです。
勿論、全く持って現状に満足していることはありませんけど、自分自身の目標と実際のギャップは全て私の能力の結果でしか有りません。
満足していない以上、自分自身の器を大きくするしかないという当たり前のことを日々考えています。
技術的な問題だけではなく多くはマインドセットの問題であることも感じています。
多くの方は、人生を一生懸命に生きていらっしゃることでしょう。
弊社スタッフも同様です。
その方々が良い成果を出せるような環境を整える事が私の大切な仕事です。
その為にはスタッフの心情を慮れるほどに把握することが肝要です。
納得のいく成果を上げる部署は結果として私との価値観の共有が多い方とほぼリンクしています。
この辺に様々な課題を見ることが出来てきたように思います。

これからは改めて私自身の想いを伝え、価値観を共有することが肝要であると実感して行動してまいります。
『奇跡のリンゴ』の話も良く聞かれますが、これらからわかる通り、リンゴの美味しさを判断するのにリンゴ自体の味のみで実施されていますけど、現実的にはその枝、幹、土など周辺環境をとても重要です。
会社組織においても結果としてのツールは様々ありますが、これらは会社の風土など多くの影響によって見えているだけの成果とは異なる文化のようなものが出てきます。
真似をするだけで実践できるものでも、継続していれば誰にでもできるものでも有りません。
経営者自らの滲み出る覚悟を社員と共有することで共感を生み発展昇華されていきます。
ある程度は時流に乗るという事も勿論大切ですが、それ以上に経営者の志が大切であろうと感じています。

遠回りをしてきたのかも知れませんが、『日々是新』で多くを感じ、理解してまいりました。
この有限である社会で時間を掛け過ぎたかもしれませんが、人生において常に今が最も若い時であります。
自分自身の一升瓶を大きくするためにワクワクしながら新たなる旅路に向かってまいります。

人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。』とは何度か活用したことのある尊敬する森信三氏の言葉です。
人同様に課題も同じく見えてきたという事は乗り越えられる壁であり、適切なタイミングで私自身が実感できたものなのだろうと思います。
格好のより理想論ではなく、泥臭い習慣を基軸として精神としての理想論を語り続け、同志を集めていく事でしか道は生まれないと確信に至りました。
賃金とスペックだけの関係ではなく、志を共にする仲間を増やし、この大いなる変革期を乗り越え、次世代に大切なものを遺してまいりたいと思います。

『私自身がどこからきたのか、私自身は何者か、私自身は何処へ行くのか』ゴーギャンの絵画のタイトルを少々もじった形で自分自身問い続け、道を創り続けようと思える日を迎えております。