社内アウトソーシング風土から考察したこと

効率化を求めることはどの分野においても当然のように言われていることだと思います。
ただ、パッと見効率的に見えてもそれは短期的なものであって中長期的には大変なリスクをはらんでいる事が多いように思います。
一番のポイントは自分事ではなく他人事の蔓延であるかどうかだと考えるようになりました。
例えばどの会社にも経理業務をされている方はいらっしゃると思います。
それは会社が存続するにはとても重要だからです。
にもかかわらず、経理を理解せず、同じ社員であっても内容も把握せずにただ任せ続けて学ぶことをしない方がいらっしゃいます。
この世の全てを理解することは当然不可能でしょうが、自分なりの解釈をした上で業務自体を依頼しなければ、いづれ大きな問題になることと思います。
我々自身もアウトソーシング先であり、アウトソーシングすること自体を否定しているわけでは有りません。
ただし、アウトソーシングの活用には当事者意識が無くなった途端、危険な状況に成ります。
元々は全て自分たちでやらなければいけないことを外注化することでコアコンピタンスに注力するわけです。
外注化すれば全てが終わりではありません。
アウトソーサーも自らの商品の一部足りえます。
社内でも同様でバックヤードの仕事は自分の仕事ではないと思った途端に感謝も無くなり、確認作業もおざなりどころか全く機能しなくなります。

この点は、実家の落ち葉集めをしながら思いました。
国民全体で家の事すら外注化して自らで解決する意識が弱まっているのではないでしょうか?
自立・自活する能力は覚悟が無ければ芽生えないと思っています。

どこかでこの仕事は「自分の物ではない」、「自分の責任ではない」と思えばその仕事の完成度は細部にまで至ることは無いでしょう。
最初から社内の誰かの仕事だと思ってしまえば、最低限のチェックをすることもなく客先に提出するような資料もそのままにしてしまうことでしょう。

効率化は大企業で細分化された組織においては強く求められると思いますが、ベンチャー企業においては効率的でないことにこそイノベーションの機会が潜んでいたりもします。
私はグループ内の起業家を多く育てたいと考えています。
その為には、一つのことだけをするスペシャリストだけでは成し得ません。
これからもベンチャーマインドを忘れず、全方位で刺激を受けようとする体制を構築していきたいと思います。
それには、立場を変え、環境を変化させていくのが一番なのだろうと考え、行動を加速していく所存です。
仕込んでいる最中の行動は評価に値しません。
結果として仕組みが出来上がるその時まで邁進してまいります。