優良企業と破綻する企業の共通項と相違点

今週も学び多き一週間でした。
グループの事業責任者会議にて、自分の担当以外の事業責任者の活動や取組から多くの刺激を頂戴しました。
武漢ウイルスの影響はあるものの、その中でも考え方を変えるなどして大きく飛躍されている事業もあり、自分自身の知恵の絞り方など内省を深めることが出来ました。
このような全世界的な変革の時でも力強く歩めていることは、グループ各社が様々な取組みをしている結果であり、これからも多くのポートフォリオを組んでおくことの価値を感じている次第です。

孟子の『告子章句下』を知ることも出来まして勇気を頂きました。
こちらは別途記録しておきたいと思います。

今週は水曜日にQBSにて教わる事が出来た事を記録しておきたいと思います。
講師は、勝手ながら尊敬している小城武彦氏でした。
数年前に九州への移住を計画されているようなお話は聞き及んでおりましたけれども、実際にお越しになられていることを知らず、ひょんなことから登壇されることを知って登録した講義でした。
経験から滲み出る力強いコメントに深くなっとくと共感をしました。
野田智義氏の言葉も出てきましたので、背筋も伸びる想いでした。
このような素晴らしい方が九州にお越しいただいたことに深く感謝すると共に産学官全てにおいて結果を出されている氏が益々力を発揮していただくことを望むばかりです。
ささやかながらもそのお手伝いをさせて頂きたいと感じました。

今回の講義では学の面で博士課程も習得されている破綻する企業の共通項を探るテーマでの講義でした。
破綻する企業においても愛社精神はとても強いケースが多いことも驚きでしたけれども、二宮尊徳の言うところの、『風や雨は特定の木を倒すために発生しているのではなく、倒れる木はそもそも内部に問題がある』と通ずるものでした。
なぜならば、破綻する企業と優良企業の共通項も同じく沢山あるからです。
大きなポイントはその目的意識です。
また、危機感を持てないほどに安定を勘違いして捉えてしまう事でした。
サイレントキラーと言う言葉の通り、破綻に向けた活動はその瞬間は組織の効率性を求めての当然の帰結とも言える内容ですけれども、手段と目的が入れ替わっていく事が破綻へ向かう大きな要因でした。
ケーススタディもありまして、その中で問われた時点で潰れるしか道が無いように感じました。
やはり、潰れる組織は風土からして既に危機的状況なので、簡単な建て直しは出来ない事を感じました。
今回は非オーナー系としての特徴が網羅されていましたので、全てを理解できるわけでは有りませんけれども、『さもありなん』と言う項目が多くありました。
他山の石とすることなく、自組織でも気を付けていきたいと思います。

組織を蝕む言語として『どうせ』も紹介されていました。
この発言を出来ない理由として多発する人は、確かに組織内で評価されていない傾向にあるように思います。
組織を変えるのはいつも個人の動きであって、その当事者に成れない人間が活用する魔の言葉であると思います。
TEDの映像でも有名な植松努氏も『どうせ、無理』と言う言葉を嫌っており、『だったら、こうしてみたら』を推奨されていました。

他にもいくつか共通項が有りましたけど、経験もあって印象的な物として、
顧客・市場・競合<社内都合
と言う図式が有りました。
雑談でも口を開けば社内人事ばかりの方がいらっしゃいます。
ある程度話しているのは心情として理解しますけど、常に意識しておくべきことは顧客の事であり、それを深く考えて行けば、やはり市場と競合は当然に興味の対象となります。
この会話無には、組織の継続は存在意義含めて難しいと考えます。

リーダーシップとマネジメントの差についても触れられていましたけど、質疑応答の中で印象的でしたのは、『リーダーシップを発揮したければマネジメント知識は必須』との発言でした。
リーダーとマネージャーが異なるのは当然ですけど、リーダーはマネジメントの言葉の意味や活用を理解していなければ、正しい道をそもそも牽引する事すらできないという発言でした。
思いついて道を提示するのではなく、他人には荒唐無稽でも本人にとっては道が見えていることがリーダーには求められているのだと感じました。

事業部長の判断レイヤーを上げなければ、正しい経営判断は出来ない。
内部昇格だよりだけの場合は特に意識して、思考レイヤーを上げさせる仕組みが大切だと感じ入りました。
経営陣は当然ながら誰よりも勉強をしていく姿勢が必要ですので、これからも学びと実践を継続してまいります。
このような学びのご縁を頂けたことにも感謝ばかりです。