捨てられる銀行

最近縁あって、参加させていただいている活動にて紹介された本を読んでみました。
自分からは手に取ることが無いであろう本を読むのは良い刺激を頂戴します。
今まであまり意識と言うか注視していなかった分野でもあるので、この本をそのまま受け入れて良い物か迷いますものの、大変興味深く読了しました。

私にとって金融と言うのは、現在の資本主義社会において必要なもので有り、血脈の様に無くなればそのまま市場からの撤退を意味するほど、重要な事柄として捉えておくべきだと思っています。
ただ、自分が金融システムに入って仕事をするという意識はあまりありませんでした。
自分にとっては、不動産に近い物でも有り、不労所得として収入を得る、複数の入り口ポケットの一つとして活用する、財務・税務のテクニック上勉強しておく必要があるという程度の物でした。

グループには金融機関からの出向者もいらっしゃいますので、色々とお話を拝聴する機会も多いのですが、とても優秀で真面目な方が多い印象を持っています。
とは言え、なかなかイノベーションなどは難しくルールに則って如何に効率よく捌くのかが評価になるケースもあるように見受けられていました。
多くの企業においてある程度の成功を収めてきますと、不動産や金融商品などを活用したポートフォリオを組み始め、事業を盤石にするには活用が必要だと思っています。
ただ、金融に依存し始めるのは如何なものかと言うのが私の根源的な思想です。

英国が産業革命で財を成した後、世界の金融大国として未だにある程度の繁栄を享受されています。
米国も第二次大戦以降の経済活動の結果、金融に力を入れられまして、ファンド大国になったのも事実だと思います。
結果として、サブプライムローンの問題が起こり、リーマンブラザーズの破綻などを招き、金融に端を発した世界不況を巻き起こしました。
金融は重要ではあるものの産業には成り得ないというのが私が思う所であります。
勿論、多くの知恵を使われて金融には数多くの商品が出来ていることは、経済繁栄に大きく寄与しているので、業界を否定するわけでは無いというのが大前提です。
それでも、やはり1~3次産業を大切にして、経済成長を資産運用が上回り続けるのは如何なものかとただただ思うのです。

表題の書の中にも書いてあったように金融機関が如何に産業界に寄り添い、有るべき姿を示し続けるのか、これからも問われ続けているように思います。
二宮尊徳はある意味、金融にも関わっていました。
それでも本業は農業であり、誰よりも農業に心血を注ぎ、そこで貯まったお金を世のため人のために活用するべく当時の金融システムを構築されたように認識しています。

容易でないことは重々承知しつつ、金融に身を置かれる方々においては、同情されるほどの勤労を前提とした立ち位置が必要なように今は感じております。
過去の偉人で安田善次郎氏や四島一二三氏などの生活を聴きましても人格者であったことが伝わってまいります。
金融に携わるからこそ更なる高貴さが必要であり、それだけに期待されることも多くある業界だと思っております。
日本人の中には投資と投機の区別も無く、そもそも金融を眉唾でとらえる向きもあるかと存じますけれども、私含め知らない業界についてメディアが伝えるようなステレオタイプではなくしっかりと知識を習得しまして、理解に努めてまいりたいと思います。

幸いKAILで多くの素晴らしい金融機関に勤められる方と知り合うことが出来ましたので、自分自身の知見を更に深めてまいる所存です。

今後も知らないことを知る機会を積極的に活用しまして自分の幅を増やしてまいりたいと思います。