あまり政治の時事ネタは提供すべきではないのかなとも思いつつ、議論が上滑りしているように思うので、私見を述べておこうかと思います。
今回の件は、国会で成立していますので粛々と進んでいくと思いますけど、議論の途中で合憲か違憲かの話がよく取り立たされていました事に違和感がありました。
法治国家として違憲がよろしくないのは重々承知していますけれども、憲法の目的自体を鑑みないと議論が空中戦でただただすれ違っているように思いました。
そもそもは、日本の商船を守ってくれている友軍と共に自衛艦が並走しているところに海賊から攻撃を受けた際に、自衛隊への攻撃であれば専守防衛と言う活動ができるものの、友軍への攻撃の場合は友軍が沈没しても手出しが出来ず、一目散に逃げるのが現行法であるところをせめて友軍を守れるようにしたいというのが十数年前からの今回の手段に至ったように感じております。
とは言え今回の 一番の要諦は、戦争を起こさないために軍備を持つのか持たないのかと言うのが、最初の争点となるべきだと考えておりました。
結果として現在の政権与党など賛成した政党は軍備を持た無ければ、戦争に巻き込まれる可能性が高いと考え、反対している野党は代替案が無いのでなんともわかりませんけど、軍備を持たなくとも戦争は回避できるというようなお考えなのだろうと推察しております。
この点をしっかりと双方認識していない為に感情論ばかりで議論とは言えない淋しい場を見せつけられていたように感じる次第です。
軍備を持つという点においては自衛隊が居てそれを認めているから野党も良いとお考えのような気もしますけど、自衛隊自体は違憲でもあると言えるでしょう。
自分自身が所属していたものが違憲とされるのは残念この上ないですけど、憲法学者に言わせればそのように考えられもします。
軍備を整えるという点では自衛隊を有しているだけでは実は不十分なのだろうと言うのが私の考えでして、実際にそれを行使する覚悟が必要なこととこれを相手に向かって伝えておくという2つが必要となると思っています。
それをしないがために起きたのがマルビナス紛争(フォークランド紛争)なのだろうと思慮しています。
サッチャー首相は、小さい政府となるべくまずは軍備予算を削減しました。
それによりアルゼンチンはマルビナス諸島(フォークランド)を守らないものだと考えて制圧したところ、逆にイギリスから空挺団を派遣されて凄惨な現場になってしまったという歴史があります。
日本は第二次大戦後、今まで平和だったからこれからも大丈夫と言うのは、私には驚きの感覚でして、竹島は現実的に実効支配をされていて、北方領土も未だ返還が見えません。
尖閣も気付けば固有の領土であったものが、領土争いとして国際的に見られる始末です。
自衛隊も米軍も公開されていない血を沢山流しているという前提で再度安保体制についてはしっかりとした議論をしていっていただきたいなあと思う次第です。
個人的には、今回のようにすべて超法規的に進んでいくというのは、政権与党次第で大変危険ですので、憲法改正含め大いに議論を重ねて言ってほしいというのが私の願いです。
その上で、残念ながら国民の大半は正しい情報を知らず、議論慣れもしておらず、決断癖を持っていないため、そうそう簡単には正しい判断はできないという事実から、リーダーが今の評価を気にするのではなく百年後の評価に耐えられる決断をしていくべきだと考えています。
経営も同じく全員で合意したアイデアとは、実は何でもない違憲である可能性が強いので、リーダーは常に思考をして、「自ら顧みてなおくんば、千万人とも言えども我行かん」と言う姿勢で正しい方向に引っ張っていけるよう常に自らを律し続けていこうと思います。