良し悪しよりも好き嫌いで経営する

ASO経営セミナーにて楠木建氏を招いての講演会がありました。
今までに著書は何冊か拝読しているのと監訳されている本も複数冊読了していたので大変興味深く参加を楽しみにしておりました。
以前にも他のセミナーなどで拝見したこともありますけれども、大きい会場での開催が多く遠くで話を聞く感じがしておりました。
今回はグループ内だけなのである近くで感じられる本当に有難い機会でした。

結果としては、著書を読んで感じ入っていたことがなかなか実践できていないことを痛感させられることになりました。
机の周囲に貼り出すべき文言も出来ましたので、早々に整理した文言を毎日のように見て思考を進めたいと思います。
私にとっては著書よりも講演を聴くほうが、迫力とともに伝わるので印象深くなるように思います。
可能な限り事前に本を読んでおくことである程度、初見・初耳な事は抑えられますので、実践すべきポイントに絞って体感することが出来ます。
私は、戦闘は得意であっても、戦略立てや戦術仕込みを苦手に考えてもいます。
小学生の頃三国志を読んでいたときは誰よりも諸葛亮孔明に憧れていたのに、実際には張飛のような先陣きって進むことばかりに注力している気がします。
今回のセミナーで戦略の重要性を改めて知ると言うよりも、苦手としている戦略立てにおいて大事なポイントがあることを強く教わることが出来ました。
いろんな会社で戦略が発表されていますけど、その図にただただ感心するばかりで建設的な批判も出来ないことも多くありました。
それでもいろんな戦略に違和感を持つことが多くありました。
その理由に今回のセミナーで気付くことができました。
これは以前楠木氏の本を読んだときにも感じていたことを思い出したと言う感じです。
それはストーリーとして描かれなければいけないという事で、時間軸を入れ込む重要性を改めて感じました。
良いことをやるのは企業たるもの当然です。
つまりは他の企業も追随してきますし、現代において真似されることが問題とは感じません。
我々も始めは色んなものの模倣から事を起こしています。
オペレーションなどにおけるイノベーションが生まれることなど殆ど起きないでしょう。
BetterではなくDifferentを追い求め続けることこそがレッドオーシャンへ入り込まない大切な戦略のポイントです。
実践することを記載するのではなく実行しないことを明文化することも大きな差異化だとも教わりました。

アクションをリスト化するのではなく時系列で感じさせることを忘れないようにします。
安直な『飛び道具』や『必殺技』もなくストーリーとして描かれておくことが大切なのだと理解することも出来ました。
事業のコンセプトを一口で言えるよう自分の思考を深めてまいります。
弊社内でも事業は一つではない部分もあるので、事業ごとに一口で言える差異化を図ってまいります。
表題の『良し悪しよりも好き嫌いで経営する』は良いことをするのは当然であるので、そんなことを背景に意思決定するのではなく、もっと突っ込んだところで最後は自分の好みを大切にすることが経営戦略につながる物だと感じています。
良し悪しでBetterは作れてもDifferent足りえません。
自分自身の人格を高めることで善悪を問わず、別の視点にいけると思います。

ドラッカーの五つの質問に加え今後は、
1.事業のコンセプトは何か?
2.事業のSPは何か?
3.その中にクリティカル・コアはあるか?
をについての思考を深め、意思決定をしていこうと思います。
私どものグループへのアドバイスとしては、ホールディング会社が強くなるのではなく、各事業会社が強くなるように進めていくこと、と言われました。
事業会社を預かっている身として、しっかりとした成果を上げてホールディングに還元することに燃えてまいります。
セミナー後に他の事業会社責任者と話しまして、お互いにますます燃えていこうと言う気になりました。
そして事業会社を背負える人間を増やし強化することも私にとって重要なミッションであることを自覚しています。
思わず人に話したくなるような戦略ストーリーを考え続けます。

現時点での私の上記回答は、
1.事業のコンセプトは何か?⇒機会損失の回避
2.事業のSPは何か?⇒収益確保のための費用削減
3.その中にクリティカル・コアはあるか?⇒持てていない
となります。数ヵ月後、数年後にどこまで変われて力強く回答できるのかにワクワクしています。
小さな成功に満足しない心得が聞けたことも有難い限りでした。
本日は、OB会に参加させていただきます。
OBが創り上げてくださった暖簾で私どもは仕事をしておりますので、感謝をお伝えするとともにこれからも大切な意思を守り、更なる磨き上げすることを誓ってまいる所存です。
本日も多くの先輩から刺激を頂戴してまいります。

個人的には望めるならばOBになることなく生涯現役として携わり続けたいと願う次第ですけど、OB会も収益事業ではありませんけれどもある意味では既にグループ内にあるような隣接して良い効果をもたらしてくださる関係であることも、とても誇らしい組織です。