本を読む上で意識しておかなければならない点を以前母親に教わったことがあります。
それは、一つの意見を聞いただけにしないことと言う点です。
ほとんどの意見には反対意見もあるので、双方を聞いた上で自分自身が結論を出さないと行けないという事でした。
当たり前ですけれども、どんな本にも著者のバイアスが何らかかかっています。
まったくの公立な立場などは存在しないと思っていますし、もしあっても面白くもなんともないのだろうと思います。
歴史を見るにも誰のどこからの視点で見るかで、その模様は大きく変わってきます。
初めての知識は特に意識に刷り込まれますので、そのバイアスがあることを自分でしっかり意識するためには、感銘を受けた場合はその反対の立場をとっている人の本を倍くらい読むようにしています。
子供と話していた時に気になったのは表現です。
世界一高い山は?と聞いたら全員が「エベレスト」と答えました。
「チョモランマ」でも「サガルマータ」でも良いのに西洋名での知識が自然と刷り込まれていっています。
結果として同じものを呼ぶのだから良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんけれども、表記は時に背景に文化や歴史を持っています。
学生の時にアルゼンチンに行って「マルビナス紛争」を知ってからその思いは特に強くなりました。
日本人でいえば「竹島」と「独島」がわかりやすいように思います。
同じ物体を指しても認識は大きく異なります。
戦争の呼び名一つとっても「太平洋戦争」と見たり言われる度に私は発現されている方の見識や認識に疑問を持ってしまいます。
今、手にしている本が特に西洋嫌いの方の本で、表記の異なりに大きな意義を感じている次第です。
やっぱり本を正しく読めているのか、今後も意識して思考を深めてまいります。