令和六年度相馬野馬追

三十数年振りに出陣することなく野馬追を見学しています。
次世代に譲るとはどういうものかを実感しています。
少しの助言は出来るかもしれませんが、これからは現役が進めていくものであり、これまでの行動がとても大切であったのだと体得出来ました。
それでも隠居生活にもやれることややるべきことは多分にあるので、与えられた環境で全力を尽くして参ります。

野馬追はこの四十年でも変化を続けています。
それでも変えてならないものに気付けば元に戻すことにも躊躇いはありません。
そして何より大切なことを次世代に遺そうと文字通り人生を懸けて実行しています。
大切なものは物質ではなく言葉にも上手く表現できない精神的なものです。
今回、見学が初陣後、初めてだからこそ知れることも沢山あります。
騎馬武者の活躍だけでなく、それを支える方々の如何に多いことかや地域との繋がりの大切さです。
この素晴らしい神事を世界の多くの方に伝えたいかと言えば、私は異なる意見です。
知るべき人には知って頂きたいですが、正しい知識がなく浅い見識で見られて誤った伝聞となることは避けたいと思います。
昨今の情報の拡がり方は、便利な反面、余計なトラブルも容易に起こしてしまいます。
地域ごとの伝統を他地域の異なる価値観で安直に裁くことは、地方への敬意を失していると感じます。
厳しい自然環境を乗り越える中で、現代科学を持ってすれば、非合理的に感じられることも地域にとってはとても大切な意味を持っていることもあります。

長い年月が育んできたものを受け入れ許容して、前向きに次世代に進んでいくことを期待しています。
自分自身の果たすべき役割をある一定達したと感じつつ、更なる高みに向けて尽力して参ります。